シュンの日記なページ

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惜別

 今日ママンが死んだ。
 という書き出しで始まるのがカミュの『異邦人』だったっけな、としょうもないことを考えながら夜道を走り抜ける。
 そう、今日、お袋が死んだ。
 昼頃に、入院先の病院の先生から携帯に連絡があり、呼吸が難しくなり、心臓の負担が急激に上がっており、このままだと今日明日中を持つかどうかだという。
 午後3時過ぎに病院で母の死を確認し、モニターや点滴のカテーテル類を外す作業にかかったところで、ぼくは死の後の儀式に取り組んだ。
 葬儀屋を呼び、打ち合わせを行う。夜の21時近くまでかかった。
 週末に通夜と告別式を行うことになる。
 急に会社を飛び出したままだったので、会社に戻り、真夜中まで主に引き継ぐことになる重要な仕事を優先的に片付けた。
 今日のことで印象に残ったのは、母を霊安室で最後にお見送り頂いた医療スタッフの方々、それにも増して長い間本当にお世話になった介護施設のスタッフの方々の、母への暖かい眼差しだったし、さらに母の顔を見つめて涙する介護職員の姿だった。自分以上に母の死を悼んでくれるスタッフがいるなんて、なんて有難いことだろうか。
 独りで淋しい自宅生活を終えて、母の晩年は特別養護老人ホームでの人々に囲まれ、若い介護スタッフの笑顔に包まれた楽しい日々に変わっていた。介護スタッフがまとめてくれた入園生活のアルバムを渡され、それをめくっているうちに、高齢者を支え、惜しみなく笑顔を振りまいてくれる介護スタッフの存在が眼に色濃く焼きついてきた。
 本当にぼくの母をこんなにまで優しく見守ってくださり、有難うございました。