夕方、雷が鳴り、それが上がった頃、太陽が雲の向うに沈む。
ある芸術家の家を訪ねているときに、大揺れが来た。このあたりは岩盤が固い、と家主は言うが、ぎしぎし言うボロ家が怖い。
終わらない揺れに、けっこう怖がって外に出る家主を止める。
ドアを開けて外に出ようとしていた家主は、ドアを閉めたほうがいいよね、と全く地震の際の心得を理解している様子がない。駄目、ドアは開けておかないと、いざというときに曲がって外にでられなくなるよ、と注意する。
その後も、そもそもの用事を忘れ、地震話題、原発話題だけで盛り上がりを見せる。
そうするとまた一揺れする。きりがないこの頃である。