シュンの日記なページ

当別町スウェーデンヒルズ移住者 ブックレビュー 悪性リンパ腫闘病中 当別オジサンバンドOJB&DUOユニットRIOのVocal&Guitarist ツアーコンダクター 写真 スキー 山 田舎暮らし 薪ストーブ

立位睡眠

 朝の同じ時刻の同じ電車の同じ車輌に乗る。数駅分移動して電車を降り、始発電車を待つ列に並ぶ。いつも同じ車輌の同じドアを目指す。始発電車が着くと、だだだっと雪崩れ込み、座って東京までゆくことができる。座ってから本を開く。
 そこからだ、不思議なのは。けっこう同じ人がぼくの前に立つ。少し前まではモデルのように背の高い女の子。ここのところ多いのは、小柄だが魅力的な女の子。二人ともスカートをはいた姿を見たことがない。前者はジーパンで、後者はレギンスで。そう、いつも同じ車輌で、いつもぼくの前に立ち、いつもジーパンかレギンスで、見事に他のものは履かない。
 そして後者は結婚指輪を左手の薬指にはめて、吊り輪にぶら下がりながら、見事に眠るのだ。
 ときどき膝がぶつかりはっとして背を伸ばすけれど、大抵は立ったまま眠っている。
 ぼくは座って本を読んでいるのだけれど、最近は眠った時に本を落としてしまうようになった。少し前までは、掌のどこかに本がひっかかってくれていたように思うのだが、最近は見事にばさっと満員電車の床に落ちる。その音で意識を取り戻し、本を拾うのだが、かなり恥ずかしい。そんなに眠いのかよ、と思う。
 でも先日、家を出る時刻が遅かったとき、電車を降りて始発電車に乗り換える時間もないので、仕方なく吊り輪に掴まったまま東京まで行った。その際、ぼくは見事に、立ったまま眠ることができたのだ。生まれて初めて、と言っていいかもしれない。
 晴れて東京人になったということなのか、それとも歳を取って眠気に弱くなったのか。
 思えば東京で仕事をしていたときも、車で通勤していたのだった。電車通勤にはもともと馴れていない体なのだ。
 ああ、しかし……。