しばし娑婆との別れ
さて今日から研修が始まる。連日の3時間睡眠の中、久しぶりの東海道新幹線こだまに乗る。
昔、蕨に日本車輌があった頃、幼いぼくらは壁に身を乗り出して、新しい未来の電車があるぞ、という噂が事実であったことを発見したものだ。特にひかりの、鼻のとんがったデザインは格好よかったが、つい先年にゼロ系は役目を終えて姿を消した。ああ、初代新幹線より長生きしてしまった。
静岡の今まで降りたことのない街に下り立ったが、何もない。やがてバスに乗せられて缶詰の日々が始まるのだった。街を出ると田園風景、山村風景、ひなびた温泉の、ひなびたホテルに投宿し、早速緊張の合宿が始まる。山岳会で鍛えられているわが身には、どんなスパルタであれ屁でもないのだ。でも夜中までの予習で今日もまた3時間睡眠だぜ。でも酒抜きの休肝日だ。二泊くらい何とか乗り切れるだろう。