シュンの日記なページ

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迎え撃つ冬

 車で最近NHKラジオを聴いている。もちろん社用車のほう。自家用車の方では、昨日まではデイヴィッド・ギルモア、今日からはサラ・マクラクランとI-PODの日々。

 さてそのNHKラジオであるが、投書された中に灯油代が1リットル87円に上がった。19円も値上げしたという内容のものだった。今この季節ではどの家もストーブをつけているだろう。だから大変な冬が来るなあというような内容のものである。

 ぼくは会社に帰るなり、北海道経済産業局北海道の灯油価格について書かれたWEBサイトに接続する。そこにはExcelファイルが置いてあり、それによれば、札幌の配達される場合の灯油価格は86.4円になっていた。19円差があった時期を探すと2005年7月、つまり真夏だ。投書の中でどういって言ったのかはわからないが、さらに遡れば、2004年の正月には、札幌での灯油代は51円である。やっぱり3年でリッターあたり35円も上がっているのだ。

 続いて同じく原油価格高騰のあおりを受けているガソリン代価格を調べる。こちらは日本エネルギー経済研究所石油情報センターの価格推移などを参照。こちらのデータはリアルタイムじゃないので、少し古いが、都道府県別に掲載されており、北海道では今年の初めに116円だったことがわかる。ちなみに今は150円代突入だ。

 直ちにぼくは会社総務部宛の提案書を作成開始する。私有車両通勤手当ての見直しと、燃料手当ての至急についてである。会社がどう判断してくれるものかは心もとないけれども、北海道の冬の生活がいかに厳しいものになるのかがわかる数字がデータとしてずらり。

 じゃあ、南方の地域には冷房手当てを出すのか? というのが大抵の議論の経過地点らしい。

 そこで大抵の北海道人はこう答える。冷房はなくてもエアコン、扇風機、自然の風、水浴びなどにより、生きてゆけるではないか。

 しかし北緯43度の冬では、暖房がない場合、呆気なく高齢者や赤ちゃんは凍え死んでしまう。
 札幌のごく標準的な家屋である我が家では、パイプラインが凍りつかないための最低限の室温も、温かさを取り戻すための風呂沸かしも、灯油によって賄われる。灯油ボイラーが点火していなければ、上下水道は凍りつき、便器が凍結で割れる。三日家を暖房無しで空ければ、多くのライフラインが機能しなくなるくらい凍っていかれるだろう。

 そんな現実を東京本社の判断にどこまで訴えられるか不明だが、とにかくぼくは要望書を書き上げる。

 北海道では一冬の間に2000リットルの灯油を費やすと言われる。数年前には50円以下だった灯油代が87円では、月額で3万円を越える。東京とは事実上の賃金格差だ。しかも冬は野菜が高騰する。車の使用が多くなるのでガソリン代もかかる。北国に生きることは、原油価格の影響を庶民がもろに蒙る。それはとても半端ではなく、許し難いもののように思われる。