シュンの日記なページ

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憂いの夜

 積雪が尋常ではない。日本海側が全国的に異常な積雪に見舞われているのは報道の通り。札幌も日本海側……どころか、石狩湾からのダイレクトな風が遮るものとてない平野部に吹き抜けるその最前線みたいな場所に住んでいる我が家は、ふと見上げるパジェロの屋根に50cm以上の積雪。

 車を出すのにも、覚悟が要る。ママダンプとスノウスコップで除雪作業を始める。除雪用重機が家の前を通り過ぎ様にホーンを鳴らしてくる。道路に雪を出してくれれば運び出してやるよ、という意味の指での合図と笑みに満ちた運転者の表情。近所の運送店の主人ではないか。以前、タイヤが軟雪に埋もれたときも牽引してくれたし、時折こうして除雪を手伝ってくれたりする。

 息子と二人除雪作業に勢を出し、それでも一時間はかかったが、異常な量の雪をブルで掻き出してもらったおかげで100往復ほどの体力の酷使を省略することができて、心の底からご近所様に感謝。

 夜には鍋。そして窓の外には降り止まぬ雪が見える。明日は誕生日なのだ。つまり今夜は四十代最後の夜。何とも精神的ダメージの強い夜だ。絶対になりたくなんかない三十代になってしまった二十代最後の夜から数えて、四十代になった日を迎えたのが10年前。その歳、一月の終わりに札幌転勤を唐突に命じられたのだった。

 だから四十代以降はぼくは札幌の人になった。そしていくつもの冬を越し、毎年、雪の多さに悩まされ、降る雪の美しさに心奪われ、窓から降り積もった雪景色、空の色の変化に、はっとするほどの驚きと感動を感じ、そうした北の地の冬を今も毎日のように新鮮に受け入れ、十分に幸せである。

 それにしても世の五十代という他者の姿に自分がどうしても重ねられない。もっともっと若く若くありたい、時の流れへの抵抗の感覚が、今夜最も強まっている。精神的ダメージがこんなにも激しいとは予想もしなかっただけに。