シュンの日記なページ

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春キツネ

 通勤路でキツネを見る環境ということを、関東在住時代には考えたこともなかった。そういえば、幼い頃、埼玉県の県南部で済んでいた頃に飼っていた雑種犬が、ウサギを捕獲して銜えてきて、その残酷さにびびった記憶があるが、その頃(昭和30年代)には、関東のベッドタウンにもウサギはいたのだ。

 ぼくの通勤路には、わずかながらに牧草地があり、防風林があり、動物が生息する環境は十分に整っているから、当然それらの命を狙うトンビもピーヒョロロと甲高い声を挙げて空に輪を描く。

 牧草地には、冬も野鼠を追うキツネの姿が見られたりしたのだが、この春はもう二匹も牧草地をジャンプして走り去るキツネを見ている。どちらも、車の前の道路を横切って、緑の絨毯に駆け去ってゆく姿である。

 東京では当然考えられなかった通勤の風景だ。ちなみに、これはすべて札幌市内の話である。どこかの北海道的な原野ではなく、ぼくら札幌市内で仕事を持ち、居住する人々の生活圏域での話である。自然と都市が境界を作らずに共存している街でずっとあり続けてくれたらと思う。原っぱの消えた幼い頃のあの町のように、野ウサギの姿が掻き消えてしまう文化は、決して有難くなんかないのだから。