『ＤＥＡＤ ＥＮＤ ＲＵＮ』

　『五条霊戦記』を痛く気に入ってしまったので、石井聰亙監督って誰や？　って調べたら、なるほど、めちゃめちゃ印象の強い映画『狂い咲きサンダーロード』の人だったのね。とても長い時間を置いて、すっかり成熟した大人の監督としてのこの人にＧＯＪＯで再会したというわけだ。
　『DEAD END RUN』は、ある意味『狂い咲きサンダーロード』の持っていたアングラな色調（つまり黒とか赤の原色である）、扇情的な光の使い方を思い出すような映像世界。
　何の情報もなしに見たら、オムニパス映画であった。ショートフィルム３本立てであった。だから一時間程度の映画であった。驚きに驚きが重なる。構成でも内容でも、映像でも音響でも。正直言ってストーリーがないのでつまらないのだけれども、製作工程はとっても丁寧に作られていると思う。重厚な映像は、まさに石井監督のものだ。
　若い俳優はぼくは浅野と永瀬しか知らない。女優たちは誰だ？　異常映画なので、だからどうしたっていうわけではないのだけれど。