シュンの日記なページ

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『スズメバチ』

 フレンチ・アクション映画を、パソコン画面で息子と二人で鑑賞した。息子が全然目をそらさずに字幕映画を見るというのは珍しい。さほどセリフが多くないし、すべてが暗示と映像と音響で成り立っている映画だからこそ、小学生でも着いてこれたのだろう。
 簡単に言えば、マフィアに包囲された護送警察官たちと強盗団たちとの呉越同舟の戦闘アクション。要は砦で居合わせた連中がインディアンの襲撃にどれだけ耐えてゆけるかというハラハラ西部劇が土台なのである。『アラモ』のような。『許されざる者』のような。
 売り物は銃弾の雨12000発だそうで、銃弾の雨系列としては『ワイルド・バンチ』『ガントレッド』『ヒート』に続くかな。
 しかしフランス人気質である皮肉や諧謔の精神は、随所に見られ、サミー・ナセリの扱いや、多くのキャラクターが全然別方向を目指し混乱に拍車をかけてゆくスリルなどは、ハリウッド的シンプルさ&勧善懲悪趣味とは、一線を画す。
 フレンチ・アクションは最近でこそ火器爆薬の多寡が話題になるようになったが、スタイリッシュな映像美やリズム感のシャープさは、今に始まったことではなく、もともと映画づくりのしっかりした土壌だからこそ、こうした新鋭監督が生まれては、いい絵を作り出しているものなのだ。
 エンディングにもう少し余韻が欲しいと思ってしまったのは、ぼく自身がどこかフレンチのドライさに着いてゆけないウェットな日本人だからかもしれません。