古い映画、古い友人の死
ジェイムズ・グリッケンハウスって知っているだろうか? 銃撃アクション映画の好きなぼくは、サム・ペキンパに始まり、ドン・シーゲル、ウォルター・ヒル、ウィリアム・フリードキンなどとともに、このグリッケンハウスという奇妙な名の監督が印象に残っている。私設処刑人を主人公にした「エクスターミネーター」「エクスターミネーター2」は、今映像ではメディアとして販売されていないのだが、「ソルジャー」「プロテクター」などはDVDでレンタルもされている。
今夜は、LDで持っている彼の映画「シェイクダウン」を飛ばし見してみたのだが、印象に残るシーンは、「ロボコップ」で一躍有名になる前のB級俳優ピーター・ウェアーが愛聴するジミ・ヘンをガールフレンドにヘビメタと誤解されるところ。趣味の悪いド派手なネクタイをしているところ。むさい刑事を演じたサム・エリオットが、映画館で生活しているシーンなど、飛行機の車輪に飛び乗る強烈アクション・シーンよりもずっと強く印象に残る。
CG全盛の時代に、ホンモノの車を爆発させたり、巨大セットを炎に包んだりして、多くのスタントマンが空を飛んだり、海に飛び降りたりしていた頃のアクション映画は、やはり映像が古びて錆びついていたとしても、やはり映像として価値が高いように思われる。
そんなことをしてテレビ画面とにらめっこしている間に、高校の同級生からメールが入った。新宿でシャンソンを歌っていたクラスメイトが、闘病生活に終止符を打ち、旅立ったとの内容だった。そんな状態にあったなんて、全然知らなかった。病の彼女にメールを送ってやってくれと友人から依頼されながらも、今さら昔のクラスメイトと言うだけでメールなんて迷惑だろうと、無視してきた自分が、今さらながら薄情極まりない人間に思えてならなくなった。数年前のクラス会で聴いた彼女の歌声が最後の思い出になるだなんて……。