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映像三昧の贅沢

crimewave2007-02-04

 筋肉痛だ。階段を下りるたびに太腿四頭筋が激しく痛みを訴える。触るとパンパンに張っている。スキーくらいでこんなになるなんて……とほほ。今日はおとなしく過ごすことに決定。

 音楽ライブを二つ、続いて映画を一本。午前11時過ぎから初めて、昼にはピザを食べながら続けて見て、終了は18時過ぎ。やはり日曜日くらいじゃなければ、こんな贅沢な時間の使い方はできない。

 最初は、DVD、「デヴィッド・ギルモア/イン・コンサート」。
 
 驚いた。いわゆるギルモアのアンプラグドではないか。バックはほとんどエレクトリックなしの生音アンサンブル。しかもチェロまで。そして、極力、ギルモアも生ギターで引っ張ってゆく。それにあわせた選曲。それにしても『狂ったダイアモンド』はちゃんとライブの頭と尻尾で必ずやるのですね(^^;)。しかし、それにしてもアレンジがウッディで。

 今回のソロ・アルバムのなかで、ギルモアはもう自分だけの全然別な音楽をやってゆきたいというようなことを言っていたが、そのコンセプトは既にこの2002年のライブで見られていたわけだ。それからこの当時既に今年の新作収録のsmileがほぼ同じアレンジで演奏されていたというのも驚き。変化は急にではなく、徐々になされていたわけである。

 それにしてもこれだけアレンジを変えると、ピンク・フロイドがすっかり消え去って、新しいギルモアの音楽になってしまうということである。音楽とはまさに生きものであり、生ものであるな。

 続いてもDVD、「ラリー・カールトン&スティーヴ・ルカサー、ライブ・イン・パリ」

 楽しいライブである。2001年パリでのライブだそうだ。ゼップ・サッポロでのライブに行ったのもその頃だった。そのときも楽しく、明るく、世代もジャンルも違う二人のギタリストのリラックスしたムードでの確かな技術によるいい音のハイ・パフォーマンスが繰り広げられた。

 リラックスといったって、アドリブというのは真剣勝負だし、これだけ限界に挑戦したような早引きをやらかすと緊張感は途絶えない。ルカサーのギター・ミーハーぶりが楽しいし、親子ほども歳の違うラリー・カールトンの落ち着いたギターの音が、明るく、やっぱりやたら楽しい。また見に出かけたいものだ。こういう音楽は記録媒体じゃなく、空間で味わうものだとつくづく思う。

 さて映画は、WOWOW録画済の「ロング・エンゲージメント」をようやく鑑賞。

 セバスチャン・ジャプリゾの原作の味を最大限に生かした映画と言ってもいいだろう。ある意味、小説を読んでいないと、キャラクターが多いのでわかりにくい部分があるかもしれないが、小説で混乱しかけていたところを映像が補ってくれたのも事実。とりわけ復讐の鬼となった女性の謎めいた行動や、戦場であった事実と推測に関して。

 複雑に絡んだサバイバルの激戦地で、敵からも味方からも狙われる運命を背負った五人の兵士と、彼らと関わった兵士たちの個性が、映像化するととてもわかりやすいのだ。

 小説はヒロインが書いた三人称の手記のかたちで綴られ、ハンディキャッパーであるヒロインなりの強さ、逞しさ、明るさ、そしてひたむきさを描いてあまりあるが、映画ではこの辺をひたすら表情に出そうと演じていたオドレイ・トトウの眼差しの強さが印象に残る。

 フランスとアメリカの合作というのも珍しいが、基本的にはフランス映画である。むしろ最近の日本映画、特に『下妻物語』などの中島哲也監督の色の使い具合やユーモラスなテンポ、探偵など脇役らのオーバー・アクションなどに、とても通ずるものがあり、少し驚かされた。