『フィルモア最後のコンサート』
へえ、ボズ・スキャッグスもサンタナも非情に身勝手でわがままなのであるな。フィルモアウェストのクローズをドキュメントとライブ映像で綴った音楽映画なのだが、ビル・グレアムの感情的なビジネス・スタイルがアメリカ的でいい。音楽家がだんだん権力を持ち、わがままになり、やってられねーよ、という感じで店を閉めるのだ。
このライブLP(CDではない)はぼくも持っているのだが、レコード針が溶けて以来(経年変化だ)、聞いていなかったのでちょうどよい。嬉しかったのはジェファースン・エアプレインと、その中心人物ヨーマ・コーコネン、ジャック・キャサディらのホット・ツナのライブ・シーン。フィルモアの最後には地元サンフランシスコ出身の音楽家を集めているので、彼らの名はなくてはならない。ちなみに『シスコはロックシティ』はジェファーソンの進化系ジェファーソン・スターシップのヒット曲。
ちなみにザ・バンドのライブを(確か)新宿厚生年金会館で見た日に、ヨーマ・コーコネンが前座でソロライブをやった。アコスティックギターの上手い事美味い事。感動しました。
ウッドストックと並ぶ60年代末のアメリカ・ミュージック・シーン。とにかく当時の若者たちはマリファナ片手に、ベルボトム・ジーンズでこういう場所に群がり、ぼくはと言えば、ハイライト片手に、浦和田島ヶ原URCロックフェスに群がっていたのである。今でも懐かしいのは、いつもトリであったウェストロード・ブルース・バンドのロング・ライブであるのだ。