シュンの日記なページ

当別町スウェーデンヒルズ移住者 ブックレビュー 悪性リンパ腫闘病中 当別オジサンバンドOJB&DUOユニットRIOのVocal&Guitarist ツアーコンダクター 写真 スキー 山 田舎暮らし 薪ストーブ

ジュニア・サッカー

 一日息子の練習試合につきあった。晴れていたが北風が冷たく、まだまだ震えが来るほどの寒さの中で近隣の少年団がいくつか小学校校庭で一日中、フルコートのサッカーをやる。少し前には体育館を使ってのフットサルだったから、春になったなとの感慨が強い。明後日には北海道ジュニア・サッカーの総合開会式が厚別競技場で行われる。毎年変わらぬ行事だ。
 うちの息子は小学校入学と同時に地区の少年団に入団したのだが、一年後、団体は少年団を廃止しクラブチームに変わった。要するに父兄代表に団長を置きコーチ監督を依頼していた地区少年団から、監督コーチたちを主体にしマネージャーを置いて運営する民間サッカークラブチームに変身したのである。要するに簡単に言うと、父兄はあまり口を出せなくなった。勝つための組織。どちらかと言えば地区に限らずどこからでも強い選手を招いて優勝を狙いプロを排出するクラブを目指すわけだ。浦和レッズで言えば、レッズ・ユースもそうだし、三菱養和もそうである。
 変貌の時点で、とあるコーチが、その主旨に賛同できずに退団したのだが、そのコーチが近所をジョギングする姿を昨日妻子が見かけている。彼はフォーザというクラブチームのスクールのコーチをやっている。これまたややこしくなるが、フォーザであれ、チームは勝つためのスポーツ団体。しかしそのなかでの教育団体にあたるのが同クラブが持つスクールという組織。息子のクラブチームであるジュントスもスクール構想はあるのだが、スタッフ都合などの理由でまだ創設されていない。スクールからチームにレギュラー・レベルの選手を吸い上げる、育て上げるというシステムである。
 スクールがないだけのクラブチームに何が起きるかというと、まず基本教育がなおざりになり、戦術練習優先となる。基本練習よりは、練習試合や大会出場に重きを置くことになるし、他所から出来のいい選手をスカウトしてきたりするため、どうしても地元のメンバーであっても、レギュラーからこぼれる子供も相当出てくる。退団したり、やる気をなくしたり。その意味で我が家でも、息子の退団については日頃から何度も迷いつつ、かろうじて続けているありさまである。息子にも迷いが多い。
 スクールに値する選手、つまりどう見ても教育をしたほうがいいと思われる選手だけで今日は初めてBチームを作った。うちの息子はレギュラーではないから、こちらである。今までこういう別枠の発想がなかったので、助っ人を借りてレギュラーを作ってまで勝ちを優先し、Bチーム・メンバーは予選のほんの数分くらいしか出番がなかった。だがBチームを明確に作ってしまうことで、常にそのレベルでの実戦を経験し、試合の日のほとんどをベンチを暖めることなくボールを触ることに費やして経験を蓄積してゆける。この後、スタッフが充実してスクールができれば、息子のように遺伝子レベルで遅足であるような子供でも、サッカーを楽しんで続けてゆくことができると思う。そう、ぼくだって足が遅いがサッカーは十分に楽しめるし、そのレベルであれば重要な役割を持つことだってモチベーション次第でいかようにもなるのだ。
 勝つことが至上命令であるクラブチームは、学校教育以上に生存競争が激しい。しかし組織の性格のためにサッカーを嫌いになってゆく子供ができあがってしまう現実に目をつぶることはできないし、我が家は常にその命題にさらされている。親であるぼくがこれほどサッカーを好きでなければとっくに匙を投げている話であるが、まだまだ改善の余地があるだけに、息子とサッカーとの細い鎖を断ち切りたくはないと密かに思っている。何よりも駄目だったか辞めたという最初の挫折を簡単に息子の記憶に打ち込んでしまいたくはない。