シュンの日記なページ

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書店での新刊漁り

 最近ネットでばかり新刊を買い漁っているもので、書店の新刊書コーナーのディスプレイがどうなっているかを、とんとチェックしていなかった。新しい仕事の絡みで、今日から四日間ばかりぶっ続けで拘束される事情があり、わずかな昼休み時間に、久々にコーヒーをゆっくり飲んで、その後、書店の新刊棚を漁ったら意外な発見があった。
 面白いかどうかは別として、興味を惹かれた本が何冊か。そのトップが山上たつひこの<小説>『追憶の夜』。もともと雑誌『COM』の『人類戦記』以来のファンで、『がきデカ』以来ファンを辞退したのだが、ユーモア小説作家「山上龍彦」名義ではなく、ミステリー作家「山上たつひこ」名義で書いたという初のミステリー界参入とは、ちと見逃せない。山上とミステリーと言えば、喜劇新思想大系の『そして誰もいなくなった』のアホさかげんを思い出すと同時に、やっぱり『光る風』という別の凄まじい才能を知っている人間としては期待してしまうのである。
 花村萬月が『惜春』という長編を出しているのも気になったけれども、『風転』以来きちんと読みごたえのある小説を書いていないし、この本もぱっと見で薄いので大して期待できなそうだ。こういうのは書店で現物を手に乗せてみないとわからない感覚だなあとしみじみ。そう言えば花村純文学『雲の影』(ピンク・フロイドではないぞ)もまだ読んでいないのだった。
 村上春樹キャッチャー・イン・ザ・ライ』ちと惹かれたけれど、あの本には16〜20歳にかけてとことん影響を受けたし、サリンジャー・ゼミに学科が違うのに参加させていただいて無料で購読や研究の授業まで受けさせていただいていた身にとっては、今さら村上春樹でもあるまい、時代が違いすぎるという気分が壁となって、拒否反応。サリンジャーサリンジャーであった頃、ライブ感覚で読み、そして全集も全部読んだあの頃を今さらないがしろにしたくないという気持ちまでが噴出してきてしまうので、これはぼくは読みそうにないと自覚したのだった。
 他にも、新人作家の読んでみたくなる本なんていうのが書店でぱらぱらやってみたり、帯の広告に釣られて出現してくるのだが、こういうことはインターネット書店では、なかなか起こらないということに気づく。一方では、書店の店先にいると、あれも読みたい、これも読みたいとなってしまうので、カスを買わされるケースも多いのである。
ある程度評価の出たところでネット購入、そうでない限りは少し時期を逃すかもしれないが無難に図書館というのが、読書の経済的手段と言っていいのかもしれない。それでも、何にしても、書店の店頭をチェックするというのは実際必要なことであって無駄ではないのだと、改めて確信が高まった日であった。