中身はスポーツバー

　焼き鳥屋で会社の連中と仕事の話で盛り上がっている間、ずっと日ハムとソフトバンクの札幌ドームでの試合をテレビではやっていた。客らは店主と一体となって、よーっしっ！　とか叫んで盛り上がっているのだが、集中してテレビに目をやっていないぼくは、何とも内容が掴めなかった。

　野球中継は途中で終わってしまったらしく、サッカーの日本代表対インド戦にテレビは切り替わった。今日はサッカーなんかより野球だとの声が客らの中では高い。何が今日は、であるのか。札幌の人々は最初からサッカーより野球じゃないか、と心の中で叫びながら、結局は仕事の話で盛り上がってしまい、ブラウン管の中でサッカーの内容がどうであったのか、よくわからなかった。

　ラジオで日ハムが勝った瞬間、店中が盛り上がり、元コンサドーレにいた播戸がゴールを決める瞬間には少しだけ盛り上がっていたが、ぼくは内容をよく掴んでいなかった。サッカー好きなはずのぼくは、野球ファンたちよりも不真面目にサッカーのライブを適当に眺めているのであった。家でしっかりタイマー録画しているという頭があると、真剣さが沸いてこない。

　会社の面子でスポーツバーなんかに行くものじゃないな。

　注釈：ちなみにこの店はスポーツバーではなくただの居酒屋であるが、きっと普段でも並みのスポーツバーよりもずっと中身はスポーツバーなのである