ホンキートンク・ランチ
ホンキートンク・ピアノは、西部を行く馬車に永いこと揺られ、調子の狂ったピアノのこと。ラグタイムなどは、こうしたピアノで奏でられると何とも言えない。
札幌から旭川へ、車に揺られ(?)移動した。
大雪クリスタルホール近くの蕎麦屋「長五郎」で昼飯。天ざるを頼んだが、三十分経っても出てこない。マンモス蕎麦屋ではあるけれど、キャパを超えた店の広さというのは客にしてみれば、あまりにも迷惑な話である。
13時を過ぎてしまい、店員に聞くと、まだすぐには出ないという。もしかして一時間待ちかよ。ついに昼食を諦めて店を出る。さすがに腹が立ってくる。
約束をしているので、用件先で用事を済ます。当たりをつけた物件があって、その家主の家で条件交渉をしていたのだが、なんと奥様にショートケーキを出されてしまう。孫が買ってくれたケーキがちょうどあったものですから。すきっ腹にケーキが入ったのが14時半頃のことだと思う。
15時に用件から解放されて、今日の昼飯ををどうしようかと悩んだが、近所に旭川ラーメンの有名店「ありこま」があるので、こちらで醤油ラーメンを食べる。あっさり味のとんこつ出汁はとても美味しいけれど、適切な時間ではないことと、腹に収まったばかりのショートケーキのおかげで、苦しい思いをする。
また旭川から札幌まで150kmを、車に揺られて移動する。まるでホンキートンク・ピアノみたいに調子がすっかり狂ってしまった満腹の胃袋をさすりながら。