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アピールではなく

 ナビ杯予選 浦和レッズ 2-0 FC東京

 代表のいないナビ杯予選リーグがスタートした。Jリーグのスタートからずっとナビ杯予選はこうした位置づけだったことを思い出す。こうした機会にデビューする若手がどれだけ、プロらしくアピールしてゆくことができるか? ナビ杯の興味は、今も昔もそこに尽きる(河野の活躍を未だに覚えている人は相当古いサポだと思う)。

 今日は、エスクデロ、赤星、細貝の三人の出場を楽しみにしていた。若手というにはあまりにもレギュラークラスである相馬、黒部の起用も楽しみだった。岡野、酒井らの活躍も。

 だが蓋を開けてみれば驚きばかり。セルヒオのスタメン起用は、予想できなかったし、ワシントン、ポンテの二人のフル出場ということも終わってみれば予想外だった。そのセルヒオのゴールを、素晴らしいポストプレイでお膳立てしたのがワシントンだったし、そのワシントン、ポンテと決定機を生んだところに飛び込んだのが酒井。いわゆるレギュラーとしていつも活躍するブラジル人選手たちと、今日だけのスタメンの選手たちが、そのコンビネーションをこんな真剣勝負の舞台で、きっちり見せてくれたのだ。

 レッズのプレッシング・システムは、選手が変わっても同じように機能している。前線でタメを作るワシントン、ポンテ、エスクデロのブラジル人トリオ、中盤でボールを奪取する啓太と酒井の素晴らしいパフォーマンス、スペースを埋めて前に進出してくる内館、闘莉王、堀之内のチャレンジ精神。どれもが光って見えるし、何よりもずっと面白いサッカーをやってくれている。

 今日は両サイド勝負はガチンコ。相馬があまりうまく機能できなかったのは、マッチアップ相手の徳永の出来がよすぎたおかげだろう。岡野はそこそこいい動きをしたけれど、持ち味のクロスがうまく上がらなかったのが残念。

 FC東京の新マンツーマン・サッカーは、ハンス・オフトを思い出させる自由度の低いもので、単調に見えた。思えばレッズもあの時代を経験して、その次のステップに進んだのだった。FCは原監督時代の方が凄みがあったと思うけれど。

 実況中継ではしきりに若い選手たちがアピールする機会だというようなことを言っていたけれど、ぼくの見る限り、アピールするのではなく、若い選手たちはまともにガチンコで実戦を闘っていたと思う。アピールができたか、なんてそれを評価する人の価値観であって、若手選手たちは、目の前の敵チームの選手と局面において一対一で勝つことに夢中になっており、そういう意味ではサッカーの基本をきちんとこなし、どの場面でも勝負していた。アピールするためではなく、勝つために一人前に闘っているということだ。

 ギドが、すべての選手を信頼をしていると公言するのも、彼らをプロとして扱う敬いと労いの気持ちがあるからだと思う。

 さて、わずかな時間だったが、個人的には細貝がやはりよかった気がする。相馬のポジションに入ったが、実際にやった仕事は長谷部みたいだった。彼のアタック&ドリブルは攻守のバランスという意味においてやはり魅力だ。まだまだ今年の啓太には敵わないけれども。

 さて、赤星と相馬は、本来の力を思えば、今日の出来は今ひとつだったように思う。残念だったのは黒部を見ることができなかったこと。ギドの評価は今ひとつ低いのかな? ワシントンを疲労から救ってあげてもよかったのに。今日は、だいぶ削られていたから。