宿酔いのさなかで、希望
気持ちの悪い宿酔いではなく、何故か気持ちのよい宿酔い。ずっとほんのりした酔いが回っている感じ。寝転がって本を読んでいると、なんとなくいつの間にか寝入ってしまう。窓から差し込んでくる十二月の冬陽につられて、うつらうつらと。
レッズはチームのコンディションが上向いたところでシーズンを終えてしまった。あと二三試合残されていたなら、きっと一番調子のいいチームとして容易に優勝をかっさらってしまったのではないかと、楽天的な思いを、未練気にもてあそぶ。
でもこの調子で来週、すぐに天皇杯。セレッソを地獄に追いやったFC東京が相手だから油断はならぬが、今のレッズなら自分らのサッカーを冷静にやることで、勝てるだけの力量があると思う。ポンテはますます絶好調だし、山田や岡野といったベテラン勢の気迫が全体をリードしている。
ただ独り、さびしいコメントを残しているのが啓太だ。パフォーマンスの悪さは傍目にもわかるし、自覚もしているみたいだし。熱さを前面に出せば、不要なカードを食らいがちなのは、ワンテンポ、判断が遅いからであるように見える。
でもその熱は感じる。その熱は伝播して、どの選手にも、乗り移っているかに見える。レッズ全体に広がっているかに見える。
さて、もうひとつのタイトルが待ってる。天皇杯。マリッチは契約満了となるが、他に誰一人として戦力外通告を出す予定のないレッズ。一丸となって闘ったばかりのこの空気を持ち込んで、悔しさをばねに弾けて欲しい。元旦に向けて。