和製ベッカム

　ナビ杯予選リーグ　横浜 1-2 浦和

　永井雄一郎を和製ベッカムと呼んだのは、クロアチアからやってきたサムライ、マリッチだった。確かに昨年の浦和レッズのシーンにおいて、マリッチに絶妙の右足クロスを送り込む永井の姿はどこか神がかっていた。その後、永井は腰を痛め、果てしない治療期間に入る。

　その永井も今シーズンのサッカー・シーンでようやく顔を見せ始めている。代表のいないナビ杯予選リーグ、永井は和製ベッカムの本領を発揮してみせた。右サイドを突破して、一瞬の隙を突いて、対角線にクロスを送り込む。ＧＫの裏を取ったワシントンがこれに合わせてボールをゴールネットに叩きつける。こういうファンタスティックなシーンがあるからサッカー観戦はやめられないのだ。日産スタジアムでレッズ側ゴール裏はこいつを目の前で目撃したのだと、思うと、遠距離サポの悲哀をつくづくと感じざるを得ない。

　永井は前半にもゴールを決めた。今日の勝利は、勝つ為に死に物狂いの守備を展開したディフェンダー陣と、攻撃は永井の貢献に尽きる。縁の下大賞としては、ポンテに代わって出場した岡野に大拍手。解説の風間さんも言っていたが、攻守に渡る、彼の年齢を省みないプレイ、そして闘志は、弱かった頃のレッズ、水内猛や大柴健二とピッチを荒らしまわっていた頃の岡野と寸分も変わらず、ぼくらを感動させてくれる。

　こんな奴らがいるから、浦和レッズはやめられないんである。