シュンの日記なページ

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熱波を越える

 ▼朝、5時半に起こされる。豪雨の音を聞きながら、シンプルな朝飯を掻き込んで、宮城米を荷室に積み込むと、ぼくと息子とは、父の終の棲家である田舎家を出発する。雨の中の東北道を北上し、次第に晴れ、そして嫌になるほど紫外線のまっただなかにある青森の港へ、突入してゆく。
 ▼地方で暑い夏を過ごすにはショッピングモールに限る。さいたま新都心で授けられた知恵をこちらでも応用し、ぼくと息子は隣にトイザラスだって並んでいる、ショッピングモールの冷房に身を浸す。しかし、船の出発時刻が近づくと、エアコンガスが完全に切れたらしいパジェロの蒸し風呂の中で、父子は喘ぐ。乗船までの地獄は永遠に続くかに思える。
 ▼早起きした分の眠気を船上の4時間弱のなかで取り戻そうと必死な父。漫画を読むことで時間のすべてを費やす息子。満員のかまびすしい客室の中で、ぼくらは最も静かな父子だったに違いない。
 ▼函館を日本海側から太平洋側に横切り、恵山岬にあるホテルへ急ぐ。夕暮れと海霧の中で、椴法華町の祭りが行われている。シェフが腕をふるう海鮮料理。文句のない温泉露天風呂。夜の闇の中で一向に見えやしない花火の轟音。ひんやりとした夜気が、昼間の微熱を静かに冷ましてゆく。極上の夜だ。