かくあるべき土曜日
かくあるべきと思い描いていた土曜日をやっと実現することができた。
かくあるべき土曜日は、そう遅くない朝にきちんと目覚めて、どんな天気であろうとスキーに出かけるのだ。
かくあるべき土曜日は、何本か長いコースを滑った後、昼にはレストハウスでゆっくりと美味しい食事を味わうのだ。
かくあるべき土曜日は、午後のスキーを終えた後、山麓の露天風呂でゆったりと筋肉をほぐし、精神を休めるのだ。
そうした土曜日をようやく実現することができてぼくはすっかり満足した。
イメージと違ったのは、筋力が衰えていてスキーの長いコースを何度も休み休みじゃないと滑り切ることができなかったこと。
イメージと違ったのは、露天風呂程度では筋肉疲労は全然癒すことができず、かえって疲れが前面に出てしまったおかげで、帰りの運転時、アクセルにかける右足の脛が何度も攣りそうになったことだ。
イメージそのものだったのは、激しい吹雪で視界がよくなく、顔が凍てついてたまらなくつらかったこと。札幌国際スキー場のレストハウスのタンドリーチキンライスの味が変わらずスパイシーで美味しかったこと。
新しくイメージに加わったのは、札幌でのブームにあやかってスープカリーがメニューに加わっていたため次回は是非そいつを食したいと思ったことだ。
新しくイメージに加わったのは、朝里にある入浴施設<湯の花>が思いのほか大きくて立派で風呂もよし、休憩スペースもよし、これからはいつもここにしようと思ったことだった。