妥当な負け

　ジュビロは今シーズン調子が最悪だっただけに本気で天皇杯に賭けてきていた。少なくとも前節までは舐めてかかっていて苦戦を強いられながらもいつしか決勝が見えてくると、今度は欲望に目の色を変え始めてしまった。それが今日のジュビロ。
　一方、エメや闘莉王に加えてネネまでが家庭の事情でブラジルに帰ってしまったというレッズだが、もはや闘う気があるのか？　という問題ではない？　バックラインは控えの内館に控えの堀之内、そこに如何せん気力ばかりが空回りして、イエローもらうわ、スピードに弱いわ、パスミスオンパレードで調子最悪のアルパイという３バック。今日は、気合の乗っていた三都州を下げて、岡野を入れるなど、ちとギドも曖昧な采配。その岡野が何ら活躍しなかったばかりか、やはり空回りＤＦでピンチさえ招いたのだからやりきれない。レッズの層が厚いったって、決勝まであと一試合っていう大一番に、天皇杯４回戦大学生相手みたいな体制で望むこと自体がサポーターに対するチームとしての裏切り姿勢みたいなものだ。
　出場し闘いに賭ける選手たちの闘志はわかる。平川なんていつにない気迫を感じた。長谷部も啓太も代わった酒井も、これがレッズだって胸を晴れるようなバトルを見せてくれた。彼らのことを何ら責めようなどとは思わない。途中交代した三都州然り、達也と永井のパフォーマンスはいつもの１.４倍くらい優れたものだった。少なくともエメがいない中で十分相手ゴールを脅かす技術的な冴えを見せてくれた。プロはこうあるべきだという形をやつらは十分に見せてくれていた。にも関わらず、最初に戻るけれど、あのスリーバックは何なのだ？　ああした形で失点しないなんて思っているレッズベンチは、フロントは何なのだ？　
　天皇杯の形がエメばかりか闘莉王帰国の情報で、こうなることは予想されていたものだと思う。残った連中でどこまでやれるかが見ものではあったけれど、ネネの帰国で駄目押しだった。タイトルというものへの甘い考えを是非来シーズンは悔い改めてもらうようレッズには望みたいね。