泣けた!
今日はレッズの最終戦。ホームでの最終節を現地で見ないというのはぼくにはとても珍しい。最終節はその年のリーグ優勝がかかっているケースが多いからだ。ぼくはマイレージや、それがないときには自腹を使って飛行機で関東に飛び、埼玉スタジアムに駆けつける。
だけど、今年は自宅のテレビでごろごろまったりとそれを見ている。試合は気が抜けた風船のようにだらしなく果てしもなく堕ちて行くレッズの姿を浮き彫りにするばかり。怒りも燃え尽きるほどの90分だった。6-1で負けるなんて、サポへの裏切りもはなはだしい。優勝を狙っていたはずのチームがどうして毎年毎年、最後の3試合をぼろくそに負けるのだ。
それ以上に、このレッズを壊したのは誰なのだろう? オフトが基礎を作り、ギドに受け渡して、日本一の座を手に入れたレッズだったが、オジェクが壊し、ゲルトがそのまま放置してしまった。
ACL準々決勝を勝ったゲーム後のインタビューで、ゲルトがとても象徴的な言葉を吐いた。
Q)このくらい選手が頑張れば勝てるチームはいないんじゃないですか? リーグ優勝もこの調子で。
A)全部の試合でこんなにやったら選手は死んじゃう。
これが決め手だったのかなあ、と今でも思う。その後も、山田、闘莉王が、負け試合に対し、甘いインタビュー回答を出していた。唯一永井雄一郎だけが、われわれサポーターに近い心情を吐露してしまったのだが、このおかげで永井はチーム内での居所を失ったかに見えた。自壊、という言葉が頭の中に浮かんだのはこの頃。
今日は、試合終了までも試合後も、レッズサポが誠実な応援を送り続け、これに少し感動した。
その後、岡野とウッチーのサヨナラ挨拶が行われたときには、もういけない。レッズが壊れたときとは違う種類の涙が頬を伝った。彼ら二人のプレイは必死だったよな、とそれだけで、今失われている何ものかの大切さを知らされた気分だった。
特に岡野。
大原の練習場で無名の新人としてフェンス越しに見つめ、驚いた存在。その年の開幕戦、入場待ちしていた三ツ沢公園の芝生の上で『赤き弾丸 岡野雅行』という断幕を作った。白いテープで字体を作る。岡野への断幕第一号だったはずだ。その後も、駒場で、大宮で、さらにどのアウェイでも、その断幕は岡野を見つめ続けていたはずだ。
その選手が今、浦和のピッチを後にしようとしている。家族が出かけている我が家のテレビ画面だ。独りでこんなものを見ている。滂沱の涙が止まらない。止めようとする要素が何もない。
※riasさん、写真無断拝借いたしました。……事後承諾m(_ _;)m