ひとつの会合

　20年越しの元仕事仲間たちとの定期飲み会。忘年会みたいに。同窓会みたいに。
　電車の切符を買って、赤羽で乗り換えて、埼京線で池袋に出る。いろいろなものが北海道に渡る前とは変わってしまったので、交通網からしてあまり馴染みがないのだ。
　東口駅前の風景もだいぶ変わってしまっている。その一角の居酒屋で男女四人でのひととき。人生の断面を見るように、ときどきに集まり、話をする。楽しく話をしたり、近況を語ったり。一年に一度くらいの呑み会だけれど、北海道在住中も、上京のたびに集まってくれた。毎回、少しだけ皆の状況が変わってゆく。
　住むところが替わったり、仕事が替わったり。
　共通の知人の消息を語る。
　家族の話も。
　美味しい酒を飲みながら、鍋を突いて、夜更けの駅に歩き出す。独り独り、別の方向に別れて行く。池袋と赤羽で四方向に分岐し、それぞれが独りの帰路に着くなり、携帯が鳴り始める。御礼メールだ。
　まだ慣れない駅のよく知らない駐輪場で、何とか自転車を引っ張り出し、サドルにまたがる。12月を迎えようとしている冬の夜風を掻き分けるようにしてペダルを鳴らし家へと急いだ。