天国と地獄
ルーニーの退場とベッカムの負傷によってイングランドは90分+延長30分の間に勝てる目がほとんどなくなった。ベッカムの涙はさすがに見ていて辛いものがあった。おかげで唯一の望みであるセットプレイのチャンスも、あまり効力がなくなった。ランパードが不調なので、ベッカムとは雲泥の差だ。
ポルトガルも一時的にクリスチアナ・ロナウドをフォワードに使うなどして、彼の良さを自ら消してしまう愚かな戦術に陥ったように見えたが、それ以上に選手たちに見えるシュートを打たない、クロスを入れないなどの消極性が目立つことのほうが気になった。
それでも小兵軍団が体格の大きなイングランド選手たちを抑え込んでいたその守備力には目を見張るものがあった。一番手シモン、最後のロナウドのPK前後で見せていた落ち着いた顔つきにこそ、そのあたりのヒントがあるのかなと思われる。