『生誕祭』の裏側
馳星周の『生誕祭』にはまるで封切り映画のようにちゃんとした作品だけのページが用意されていた。http://bunshun.topica.ne.jp/seitan/seitan01.htm
作品に関する作者のコラムが沢山ついており、創作の裏側をも見ることができる。ほぼ全部読んでしまった。「わたしはわたしの目に映る暗い世界を描くために小説を書き始めたのだし、書き続けている。なにを書こうがそれだけは変わらない」という言葉が印象的だった。
また、馳には他の本を読まない馳読者というのがついているとも言うのは初耳。矢沢永吉しか聞かないゾクみたいなもの、というと形容が悪すぎるか。でもこういう読者によって馳はより坂東ではなく馳になってゆくのかもしれない。
自己演出というものに徹底したこだわりを見せる辺り、プロ意識は評価に値すると思う。でもやっぱりサッカーの方で飯を食うのはやめて欲しいと思う。連載四本も抱えているならばなおさら。
と言いつつ一向に進まない自作の推敲を、少しでも前に進めようとあがいている、ぼくの側の今宵なのでもあった。