シュンの日記なページ

当別町スウェーデンヒルズ移住者 ブックレビュー 悪性リンパ腫闘病中 当別オジサンバンドOJB&DUOユニットRIOのVocal&Guitarist ツアーコンダクター 写真 スキー 山 田舎暮らし 薪ストーブ

嫌われ松子の一生

crimewave2007-02-23

 今頃になってようやくDVDを見る。中谷美紀は、ぼくの中では、女優らしさを持った本物の美形という位置づけなのだが、この映画のように喜劇要素の強い過剰演技は『ケイゾク』のイメージから始まったものなのかな。それと同時に、美形を平凡さの中に閉じ込める演技も上手な人なので、全く異なる人格を演じることのできる幅を思わせる。女優として強みと言うべき地の無色さを感じるのだ。

 だから、この映画のように波乱万丈の女を演じ、様々な衣装に身を包んで、汚れ役(ト○コ嬢)、花のあるヒロイン(音楽教師)と、対照的などちらもを、独りの女優のうちに演じることができてしまう、というところが、きっとこの場合この女優なしにはこの映画の成功はなかったということなのだろう。内山理名には悪いがドラマの方には、ぼくは興味すら惹かれなかった。

 とは言え、『下妻物語』で既に中島哲也監督の手口に一度驚かされてしまっている身にとっては、やはり『嫌われ……』は予想通りの二番煎じに過ぎない。ずっとこの路線で行くのかと思うと、いずれ飽きられることも予測される。シーンの一つ一つは面白くゴージャスだし、物語のエネルギーを強く感じるのだが、こうも型にはまった作風となると、一本、二本というところが監督寿命かな、とも懸念される。

 この後、中谷美紀をチェックしようと、「リング」シリーズをダイジェストでスキャンしたのだが、改めてその美しさが浮き彫りにされる。この人にはドラマは捨てて映画に専念して欲しいと、つくづく思う。今、映画界はバラドルでもアイドルでもモデル上がりでもない、真の映画女優を求めているのだ(と、ぼくは勝手に決めつけている)。