ラーメン店で疑問
ラーメン店では、なぜか職員たちの分業が徹底し過ぎているようだ。
麺を茹でる人、スープを調合する人、ほかにチャーハンや餃子を作る人たちなどで構成された製造部とも言うべき人たち。
また、注文を聞いたり丼を運ぶ人、レジを打つ人などで構成される、いわゆる客側スペースにいるフロント業務とでも言うべき人たち。
他にも、修行中なのか、他に技術を持った人がいないせいなのか、長ネギをシラガに切る専門の人とか、洗い場専門の人がいるケースも少なくない。
さてぼくの疑問である。ぼくら客に対し挨拶をする役目に関しても分業化されているのはおかしくはないのか?
客への挨拶を接客係しか受け持っていないのはおかしいのではないのか?
もちろんクローズの厨房であれば、中にいる料理人がわざわざ客の前に出てきていちいち挨拶をする必要はないと思うけれど、ラーメン屋のカウンター越しにラーメンを製作する人たちは何故に目の前にいる客に対し、挨拶もせずに黙々と注文制作に励んでいるのだろうか。
特に険しい顔をした店主らしきオヤジなどは、客の目の前で修行中らしき店員を怒鳴りつけたりしていて平気だというシーンもあったりする。不思議だ。
そこらへんの隣近所の人だって、名前を知らなくても顔を合わせれば、子供だって挨拶くらいするのだよ。それなのに、客商売でありながら、おれは製造係だから挨拶は接客係に任せてるんだもんね、という挨拶すら分業に組み入れて平然という文化は、明らかにおかしいと思うのである。
それも社会常識を若者に教えるべき年配層の人たちが平然とそれをやるのだから、若い客たちが、世の中で挨拶なんてうざってーもんはもう要らねえんだと理解する助けを進んでやっているとしか思えない。
顔が見える場所どころか、目の前で、ラーメンができれば、できたよと言わんばかりに運び係を呼びつける。自分で丼を持ち上げて客の前に渡せる距離なのに、わざわざ接客係に遠回りして運ばせている間に、ラーメンはいくらかでも伸びてしまうだろう。そんな不合理にも、何だか、ますます不快感が増してゆく。
ラーメンは健康にあまりよくないハイカロリー・高塩分の食品ではあるけれど、礼節を知らないラーメンの作り手というのは、ストレスを供給することで、さらにこちらの体調を悪くする。
もちろんこんな店とは真反対の有料店だっていっぱいある。店より味だというのなら、いくら美味くったってぼくは人間として優しい人を選んでゆきたい。自分のビジネスの場だって、商品を売るのではなく人間としての自分を売れ、とぼくはよく営業たちに言い聞かせるもの。