シュンの日記なページ

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開票速報を聞きながら

 日曜日にはゴルフから帰って、すぐに投票に行った。息子の通う小学校。歩いて2分の便利さ。プラタナスハマナスの木が茂る通学路は、サイクリングロードと併走している。傍らのベンチに老人が腰掛け、隣に置いたコンビニ袋から何かを取り出して食べている。その前を二人の女子小学生が元気そうに歩いてゆく。他には、見渡す限り誰もいない。木の匂いと葉っぱの匂いがする。湿った匂いだ。
 その夜、夕食の時間にはすでに自民党の大勝が決定づけられており、月曜日の夜の各党の代表は誰も彼もがお疲れの表情を前面に見せていて、やけに白けていた。
 郵政民営化法案は参院で否決されても衆院で可決され通るようになるという論理だけは誰にもわかるだろう。だけど、どんな法案もこれで反対勢力を押しのけて通過するようになったのだ。議会政治の機能不全というこの側面に関しては、どれだけの人が本当に理解し、恐れ、考えているだろうか。
 今日ブラウン管に映ったいくつかの討議では、与党が駄目なら、きっぱりとした駄目出しを国民はやるだろう、と超楽観的なことを言っている人がいた。これが二党政治の本来の姿であるのだ、と。まあ、アメリカならそう言われてピンともくるけれど、ここは日本という、土にしがみついた農耕国家であるからね。
 というわけで、郵政民営化の形さえ良く見えないのだけれど、やっぱりぼくは、宗谷留萌地区で当選した何とか夕雁という演歌歌手みたいな(あるいはミステリの主役弁護士みたいな)名前をした青ヶ島の落下傘刺客だけは、よく理解できない。銀行がないから預貯金は郵貯を使うしかないんだよ、なのになぜ島民の誰も反対する郵政民営化に賛成して、あの人は北海道に行っちまったのかねえ、と呟く青ヶ島住人の表情が焼きついている。いきなりやってきて、にこにこしているだけの素人女性に、北海道最北端の地で票が集まるというのは、いったいどういうことなのだろうか。
 どうも「Drコトーの診療所」などで類推される離島僻村の文化のイメージと、現実にあるこの票田とが、関連付けられないので、ぼくは理解に苦しんでいるのである。