シュンの日記なページ

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モケウニ沼

 ベニヤもモケウニも息子を連れてきたことはあるのだが、何せ三才で北海道で移住したてのころのことで、息子にはこのあたりの記憶が一切ない。なので、周囲を牧草地に囲まれ、海の見える高台、神秘的に青空を映すモケウニ沼に辿りつくや否や、息子は湖畔に下りる急な木段を駆けおりて行った。この下を小さな息子と六年前に歩いたときにはモウセンゴケがたくさんあったと話したので、食中植物にとても興味を持つ息子は張り切って走り出したのだ。
 だがどこにもモウセンゴケは見当たらなかった。季節が悪いのか、環境が悪くなったのか。モウセンゴケはああ見えてけっこうデリケートな生き物であるらしいのだ。手つかずの自然でないと生き延びられない。モケウニ沼なんて無名の沼は、この姿こそ素晴らしいのだが、およそ手つかずの自然に近いものがある。以前は北大の水産学部の学生たちがテントを張って幻の巨魚イトウの観察をしていたっけ。
 風が吹きすさび、雲が早い勢いで流れる。とてつもなく空が大きい。牧草がなびき、紺青の海が横たわる。凄みのある風景である。