ベニヤ原生花園
秋口なので最早、花はないだろうけれど、海辺に出たいために立ち寄った。海岸段丘の湿地帯。北海道は自然の原生花園が豊富だ。フラワーガイドと看板のかかった小屋があって、他に訪問者がほとんどないせいか、おばさんが相手をしてくれる。今は花よりも木の実と言われる。
広い広い青空。強い風。湿地沿いの遊歩道を歩くと、確かにキイチゴの実がなっている。他にツルリンドウや、ハマナスの実の群生。おばさんに送り出され、ぼくらは周囲2キロほどの広さのある湿原を一周する。水辺にはスギナモ。
海辺に出てホタテの貝殻を拾う。フラワーガイドの優しいおばさんが、息子にもっときれいなホタテの貝殻を何枚もくれた。貝の内側に絵を書くようにすすめて。息子は大切そうにそれを両手で抱え込んで、少し嬉しそうに微笑む。