ノスタルジック大宮公園
離職票も届いていない今、まだハローワークにも年金事務所にもゆくことができないため、やりたかったことをとにかくやる。時間はいくらあっても足りないのだ。
その代わり、一日二時間ウォーキングをしてね、と妻に要望された。これまで毎日、約二時間、徒歩で営業まわりをした日々を思えば、急に運動時間をゼロにするというのはやはりまずいだろうから、妻の提案は、もっとも極まりない。
早速午前中は、ウォーキングを楽しむことにした。今日は、懐かしの大宮公園へ。動物園ではカピバラやツキノワグマののんびりする様子を眺めた。昔、友達のお父さんがここの飼育係をやっており、友達は学校に抜けた孔雀の羽根を持ってきてぼくらにプレゼントしてくれたりしたっけな、などということを思い出す、懐かしの大宮公園である。
ボート池は、半分以上葦が繁茂してしまい、随分狭くなったなという印象。貸しボートももうやっていないらしく、寂しい風景だ。
父にボート漕ぎを教えてもらったのもこの池であり、友達と乗り、彼女と乗り、して二十歳を越えてからはとんと無沙汰をしてしまっていたが、その頃の面影をわずかに残して、水鳥たちを遊ばせているこの池からは、砂時計のようにこぼれ去る時間の儚さばかりが感じられ、気づいてみるとしばし畔に佇んでしまう自分がそこにいるのだった。