2012-11-07 ブロッケンの朝 濃霧の朝。 「ブロッケンの妖怪が、出そうだ」とぼくが言う。 妻は、意味がわからない、というような顔をする。 山の稜線で、何度となく見たことのある、霧のスクリーンに自分の影が投影される自然現象のことを説明する。 過去の事故以来、坂道歩行ができなくなってしまった妻が不憫だ。 せめてパスでたどり着ける立山室堂くらいには、連れていってあげよう。 どこかでブロッケンに巡りあえたらいいな。