貧相な書庫

　見つからない本がある。実は、どれも海外ミステリだ。一度買いそびれると、入手が難しくなる本がざらにある。海外のミステリの名手と言われる作家は、売れたそばから忘れられる。日本の翻訳家は転職を余儀なくされる。読みやすくお手軽な日本作家に執心するのもいいけれど、たまには世界レベルでの読書にも挑戦してくれ。頼む、日本の読者諸君。
　さて地元、埼玉大学の生協、書籍販売部を訪れたのは今日が初めてなのだけれど、ひどいありさまに目を覆いたくなった。若者ばかりの盛況に脚を運んでみたのだけれど、純文学の
新潮文庫はいろいろ抑えているくせに、海外ミステリは蚊帳の外みたいな品揃えのひどさだ。このあたりの書店は何軒も回っているのだが、まともな品揃えの店はない。早川ポケミスに至っては一冊も置いていない。日本の読書事情が井の中の蛙みたいにこじんまりと国内だけに収まってしまって良いものだろうか？　無論、否である。このままでは日本からハードボイルドが駆逐される。
　埼大の紅葉が見所になりつつあるけれど、若者は平等に公平に本をよまないと、あかんよ！