職質

　久々に深夜の路上で複数警官の待ち伏せを食らい、職質を受けた。無灯火自転車である。出がけに探したライトがどうしても見つからず、今日は覚悟の上での無灯火だったのだが、本当に、狙ったようにこんな夜にだけ、うちの近所、まさに我が家まで15ｍというところで三人の警官が待ち受けているのであった。これはドラマで、俺はドラマの主人公なのかな？　などと思いたくなる。
　防犯登録ナンバーを署に確認し、事なきを得たけれども、後から来たバイクの男性も網に引っ掛かり、酒気帯びを尋ねられ、怒っていた。態度が悪いとそれだけで損なのになあ、と思いながら、不穏な気配立ち込める真夜中の住宅街の一角を後にし、数秒後には我が家の玄関をぴしりと閉め立てるのだった。