シュンの日記なページ

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ラウンド・アバウト

 訪問先が留守のようなので、周辺を一回りして時間を潰す。留守というのは営業という仕事につきものだが、その間にウォーキングができてしまうのも営業という仕事のメリットである。

 懐かしい中学校の傍らを通るとき、体育館の窓から笑顔で顔を出す生徒の姿と、その向こうから卓球台をピンポン玉が跳ねる音が聴こえてきた。ぼくがこの中学で卓球部に所属していた頃は、この体育館は建築中であり、ぼくらは毎日教室から机と椅子を廊下に出して、体育倉庫から卓球台を運び入れなければならなかった。体育館ができたときにはぼくらは中三になっており、高校入試を控え、卓球部の活動もほとんどできなかった。後輩たちがとても羨ましく思えたものだ。


 

 同じ卓球部で仲良くしていたノ−ちゃんの家は空家になっていた。ノーちゃんは、ニューロックが好きで、ぼくにディープ・パープル、ブラック・サバス、マウンテン、などを教えてくれた。また彼は写真が好きで暗室を持っていたから、修学旅行の写真を、現像から焼き付けまで一緒に教わりながら作業した。赤い光の中で印画紙に浮き上がる画像の神秘にどきどきしたのも、この家でのことである。今は行方がわからないノーちゃんの思い出の詰まった家だ。受け取ることができるかどうかは別として、名刺にメモを書いて玄関口に差し込んでおいた。


 駅付近の踏切にて。駅はそれなりに変化を遂げ、四輌切りだった電車も、今はその倍以上の長さになった。ホームを渡る階段がなかった頃、プラットホームから、富士山が綺麗に見えたのを覚えている。今は、さまざまな障害物が富士山との距離を邪魔してしまっている。


 北海道時代から、ぼくは空を撮るのが好きだった。綺麗な夕焼けを見ると浮き浮きした。歩き回る疲れが霧散してゆくのを感じつつ、ため息が出るほどの風景に、じっと対峙する静かな時間を味わう。