バレンタイン・チョコレート
なぜか幸運の女神には今日はお会いできなかった。出社時刻が違うのかもしれないし、毎日出勤ではないのかもしれない。とにかく昨日と同じ時間に同じ場所を通っていなかったことは間違いない。まあ、それはそれで仕方ない。幸運の女神にもいろいろと事情があるのに違いない。
バレンタインデイということでチョコをプレゼントしてくれたのは一回り近く年上の品のいい女性だった。彼女は昨年未亡人になったばかりで、故人の写真を指差して生前の物語を紡ぎ、少しだけ涙ぐむ。ぼくは、亡くなったご主人のために仏壇に向かい、線香をあげた。自分の母の仏壇に今日も線香をあげていないな、と心の中で自分の頭をコツンと叩きながら。
この方から、帰りがけにコーヒーセットとともに、バレンタインデイだからと、チョコレートの小箱も頂いたのだ。リボンがかわいらしく結ばれたこのチョコレートは、札幌グランドホテルの品だったので驚き、かつ感激した。ブラックとホワイト織り交ぜての詰め合わせ。帰ってから口にしたホワイチョコレートが美味しいのは札幌ならではである。
今日は、息子から先日受けた二つの大学の合格の知らせがメールで届いていた。わがことのように、ほっとする。
幸運の女神は、今日のところは、陰でせっせと働いてくれているみたいである。