焼き鳥 松ちゃん

　帰りはとても寒い。雪も雨もやんでいるけれど、ときどきぱらつく中、久しぶりに領家の焼き鳥屋松ちゃんにお邪魔した。単身赴任で新潟港から飛ばしてきてアパートに入った初日の夜、赤提灯に惹かれてここに入った。
　そのアパートを引き払って現住所に移ってからは一年半ぶりの松ちゃんは、なんか、見たことあるなあ、って顔をしていたが、ママの方は、詳しく覚えていてくれて、家族はそろそろ札幌からやってくるの？　などと聴いてくれる。
　マスコットガール代わりの常連客は、まるでマスターとママの実の娘のように高齢の彼らを気遣って、本当に家族的な店だ。真夜中を過ぎていたので、焼き鳥も焼き終わっているみたいだから、焼酎割だけを片手に二時間、積もる話を。ほっと心温まりながら、週末の独り飲み会を終了とする。