とんと本を読まなくなった
というよりは読めなくなった。自分の時間がこれほどない日々を過ごすのは人生において初めてかもしれない。そのくらい休日も取れず日々早朝から夜遅くまで残業三昧であるが、それでもわずかな時間をつまみあげては読書の時間にあてがってゆく。
東野圭吾『マスカレード・ホテル』読了。上記のような条件のせいか、密度の薄い本はあまり内容が入ってこない。継続ではなく断続して読むために、作者の意図が伝わりにくいのかもしれない。そんなハンディを折り込んだとしても、それでもやはりここのところの東野圭吾はつまらないと思う。少なくとも『真夏の方程式』に続いて、さらにつまらない本を読まされてしまった。年初に出た『麒麟の翼』は面白かったから、作者の波のようなものかもしれない。低い位置で書かれてしまった作品なのかもしれない。
とにかく読書時間が取れないときに、読了して、味気ない思いをすると、空しさも虚ろさもひとしお。もったいないことをしてしまった。との思いが強い。残念。