小説に映画に
東野圭吾『真夏の方程式』読了。ガリレオ・シリーズなんだけど、だらだらした長編なので、あまり快適には読み進まなかった。二時間ドラマを見させられている感じ。最後はうまくまとめていて、東野ワールドならではなの小説技巧を感じさせるけど、クライマックスだけが小説ではないからなあ。
最近『フラガール』を何度も見直している。劇場で見たい映画である。映画ならではの魅力というものを供えた映画にはなかなか出くわさないのだが、この映画は凄いなあ。昭和を描くとか、炭鉱の歴史だとかいった御託を並べなくても、本当に人間の喜劇であり人間のドラマであることで突出していて、映画ならではの盛り上げ方を熟知して作っているという感じだ。『蒲田行進曲』とか『砂の器』とか、劇場ならではの独特な盛り上がりを見せてくれる映画らしい映画として、この作品はぼくの中できっと永劫に残る一作になるのだろうなあ。