シュンの日記なページ

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ガソリン狩り

 地震を味わったのは西大宮から上尾市に入ったあたりの工場地帯だったのだけど、今日そのとき果たせなかった仕事をやり遂げるために再訪した。近くには指扇自動車学校があって、仮免許の車が走っている。うわ、これ自分が通った教習所だ、って思い出して、とても懐かしかった。あの頃、この自動車教習所が一番安かった。その頃の免許取得にかかる費用が20万強と言われていた時代、基本料金12万で、追加講習分や受験料を入れても15万程度で取れたのは驚異的だった。その分、大宮でバスを待ち、30分くらい揺られてと、ひどく遠いところへの毎日が小旅行だったのだけど。
 さて、用件を済ませると車にガソリンを入れるように言われていたので、仕方なく適当なスタンドを見繕って道路に長く並んで列をなした車の最後尾についた。暇なので持ち歩いている爪切りを出したりする。
 急に車が前に走り出した。なんだなんだ。なんと、警察の指導により一時休業としましたとの立て札を立て、スタンドの従業員が頭を下げている。道路の渋滞が一般の通行を妨げているのだからそれも仕方ないかと、諦めて、次の機会を求めて走る。
 初めから閉店しているスタンドが多い。ようやく並んでいる列のまた最後尾に着く。ここで腰をすえて時間を潰すべく努める。
 ラジオが買占めのことを批判している。物資は十分にあるのに、誰かがパニックになって普段の数倍量を買うことで、連鎖的にものがなくなるのではと思うほかの購買者が同じ行動を取るために、無意味な購買競争に拍車がかかり、商店から商品が消えてしまい、棚はからっぽになる。
 被災者の人がマナーよく他の人へのいたわりを示しているのに、被災していない人たちがエゴイスティックな行動に走ることを戒めるアナウンスが耳に心地よい。
 もちろん被災地に大量に送り込む商品は一部欠損している。小売店に入る前にメーカーが支援分に割り振るからだそうだ。だが、それは限られた商品であり、今店頭から姿を消しているこの全部が対象ではない。極端な過剰反応が都市の人たちを捉えている。ラジオは糾弾する。ざまあ見ろ、けっ!
 と、また車が走り出した。今度は、ガソリンが品切れになったのだった。
 夕方の17時を過ぎるとどこのスタンドも閉店、品切れの札を立てて閉鎖し始めてしまった。けっこういろいろなところを回ってみた分、ガソリンを補うことはできず、かえって多く消費してしまう結果になって帰社した。
 帰りはいつもの車通勤を自粛し、バスで帰宅。車じゃないので駅前で呑んで帰ろうかと思ったが、食材が家の冷蔵庫に眠っているので、停電を重ねて腐らないうちに食べてしまわなければと思い直し、素直に帰宅した。
 かくして震災の影響を受けた首都圏の生活は続くのである。