ワイルド・フルーツ
柘榴をもらった。柘榴をもらうなんて子供の頃以来のことかもしれない。
そう言えば我が家には無花果の木があった。柿の木もあった。どちらもたわわに甘い果実を毎年のように子供たちの午後を驚きと充実でいっぱいにしたものだった。
先日、浦和の住宅街で柘榴の木を見かけて、美味しそうになっているなあとため息をついたばかりだった。
だから嬉しい。食べるのが簡単な植物ではないけれど(何せ食べるところより種の方がよほど大きい)、枇杷、アケビとともに野趣溢れる季節のワイルド・フルーツとして大好きなものの一つだ。
先日湯檜曽川に沿って谷川岳山麓を歩いた折、昨年にアケビの実をみつけて皆で回し食いして好評だったことを思い出した。今年はアケビがあっても気づかなかったかもしれないね、と先輩女性メンバーが言う。確かに、雨と深酒と水溜りのせいで、みんな下を向いて歩いていたかもしれない。
さあ、輝く柘榴に取りかかるとしよう。