シュンの日記なページ

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四半世紀分の時間

 ちょうど夜明けに、一度眼が覚めてしまった。朝焼けだ。雨になるのだろうか。



 いつもの時刻に起き直した。秋の空が広がっていた。

 四半世紀前に通っていた埼玉県のどちらかといえば南の方にある田舎町の居酒屋を訪れた。車なので烏龍茶を飲み、TVで躍動する日本代表の阿部や長谷部の姿を遠い気持ちで眺めながら、懐かしいお袋の味に舌鼓を打った。
 四半世紀前。あの頃は独身だったので母の手料理の味に餓えていた。今は単身赴任なので、やはりこの店の煮物類が心に沁みる。あの頃お世話になったママは、時間経過とともにいろいろなことを思い出してくれた。
 感情を済ませて外に出ると、勝手口から出てきたママが、あの頃よく食べたタタミイワシと長芋とを、土産にそっと持たせてくれた。まるで、身勝手の限りを尽くしてちょっとだけ実家に立ち寄った不良息子を見つめるホンモノのお袋みたいに。
 日本代表の試合が退けて2時間も経つ頃だというのに、埼スタ界隈の道路は渋滞に悲鳴を挙げていた。しかしレッズ戦で使われる地元の裏道はがらがらの真っ暗闇だ。

 夜の闇にまだなお光を見せる埼スタは赤ではなく青を投影して、どこか異質に見えた。