シュンの日記なページ

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赤き血のTwelve

 サポータとして12番目の選手を自称するぼくは、レッズ戦の後、埼スタを後にするときに、出口をショートカットしようとして自転車を持ち上げて、チェーンの向うに置き、続けて自分がチェーンを飛ぼうと跳ねた。だが、過信があったのだと思う。ぼくは足を引っ掛け見事に転んでしまったのだ。自転車もろとも。大衆の目撃するさなかで。
 あーあ。
 肘と膝を打ってすりむいて血が出て、とても痛い。すぐに気を取り直して自転車に乗って走るのだが、血が滲み出してきてそれが風に沁みてとても冷たくそして痛いのだ。
 今日の清水戦はまるで格闘技の世界だった。気候が良くなってきたせいか選手たちの動きがよく、激しい一対一の対決があらゆる局面で見られ、とても見応えがあった。
 サッカー選手の受ける痛みはきっとこんなもんじゃないよ、と自分に言い聞かせながら闇を走り抜けると、なんと今日も見知らぬ小道に迷い込んでいたのだ。ああ、気が散っていたのだ、きっと。レッズ・サポだらけの田舎の裏道のはずが誰もいない。
 しまいに大きな通りに飛び出しほっとしたのも束の間、有料の大橋ではないか。あれ、だいぶ南に出てしまったぞ。ぼくは前より少し北に引っ越したから、こっちではなく逆のはずだ。さらにぼくは闇の小道に踏み込んで行った。今度は基礎となる大橋があったから方角を身に刻み込んでペダルを漕ぐ。紆余曲折の上やがていつもの道に出た。それにしても傷が痛い。
 家に戻って、自転車を置き、早速ガーゼを被せてテープで隠す。ああ、まるでこれじゃ小学生時代みたいだよ。あの頃はよく転んだものなあ。
 処置も終わり、さて夕食の素材を買い出しにスーパーに出かけようと玄関を開くと、目の前を自転車に乗ったレッズサポが。え? この界隈は引っ込んでいて通りすがりになる場所ではないぞ。どこにも繋がっていない循環型道路だぞ。彼がこの界隈の住人でないならば、道に迷ったレッズ・サポであるに違いない。
 でも田舎道ではなく、埼スタを遥かに後にしたこんな場所でわざわざ道に迷う人もいるのか、と見下げたような気持ちでスーパーに行く。スーパーの中には赤ユニを着て買い物をする客がけっこう沢山いる。ちょっと驚く。怪我をしなくってもちゃんと着替えて買い物に行こうとするぼくはこの街ではひょっとすると異常なのかもしれない。