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カムイ外伝……陶酔の記憶

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 『カムイ外伝』は、劇場で見たかったくらいなのだけれど、なかなか映画を観に劇場に足を運ばなくなったぼくは、TSUTAYAの宅配DVDを使って家で、思いついたように見たかった映画をワン・シーズン遅れで観ることになる。今は、それこそワン・シーズン我慢すれば観ることができる。そんなスピードが嬉しいような、空しいような。
 『どろろ』からこの方、こうした忍者映画にとどまらずジャパニーズ・アクションは、現代劇よりもむしろ時代劇の方が優れているように見える。CGやワイヤー・アクションの使い方としては現代劇よりもこうした人間離れした活劇の方がフィットしているようにも思える。この映画の、着色剤を入れたような青い海も、江戸時代の昔には本当にこんなに青かったのかもしれない、などと思える。
 『カムイ伝』に魅了されたのはやはり学生時代のことである。『ガロ』に連載中は、とても部分だけ読んでわかる物語ではなかったし、文庫になったものを買い集めて、全部一気に読んだ時は、教科書には絶対に載らなかった日本史として、豊饒な知識が潮のように脳髄に流れ込んでくる痺れのような感覚に陶酔したのだった

 カムイ伝 (1) (小学館文庫) カムイ伝全集―決定版 (第1部1) (ビッグコミックススペシャル)

 少年漫画誌で断片的に掲載される『カムイ外伝』の背景に『カムイ伝』という巨大な世界が拡がっていたことを知ったときのショックは凄まじい。手塚も偉大だが、白土三平も偉大だ。こんな漫画家で溢れかえっていた少年コミック誌の時代に生きたぼくは、本当に幸せだったのだ。映画を観ながら、そんな満足感ばかりを覚えていた。