ヒートアイランド、ふたたび

　明日、というかもう今日なのだが、4時に起きて新潟に走り、そこからフェリーに乗って札幌の家に帰る。金曜日と月曜日に休みを取って、船でゆくことにしたのだ。荷物もあるし、日曜の朝にはゴルフも楽しみたいし。そう二年会員の二年目になる今年も、できるだけ太平洋クラブ札幌コースでは月例会に出たいじゃないか。

　　

　垣根涼介『ボーダー　ヒートアイランドIV』読了。すっかりアキ一人の物語になっていたと思いきや、カオルが復活。懐かしきファイト・クラブの渋谷へデジャブのように物語は戻ってゆく。そしてもう二度とない再会と結集の夜。『ヒートアイランド』を読んでいない人には楽しめないと思う。それにやっぱり『ヒートアイランド』はこれ以上にオリジナルな傑作だから。
　二番煎じという気持ちと、懐かしいという気持ちが複雑に交錯する。期待した割にはこんなものかとの内容なのだけれど、ラスト近くの、冒険的要素を見せたエッセンスだけは健在。やはり独特の作家であり、これは『君たちに明日はない』のページのどこかにも見えてくる何かである。日常からの逸脱、というあたりが夢のあるところなのだろうな、といつも思う。好感度の高い作家である。