学生街の楽器店
学生街を久々に歩いた。竹橋から神保町にかけて歩き、古本屋街で遅いランチにしようと思ったのだが、御茶ノ水に行く途中の坂のどこかで食べることに思いなおして歩き出すと、ランチョンのランチに惹かれそうになり、いかんいかん、ここに入ったら生ビールのジョッキを抱え込むことになりそうだと自分を激しく律して、結局、懐かしのハンバーグ屋BANBIバンビに入ることになった。
まだ結婚する前に妻と本郷のBANBIに入ったことが何度かあるが、本郷の店はとっくにない。こんなところで見つけるとは思わなかった。時間を外したせいかBANBIランチは見当たらなかったが、ブログを漁ると昼時にはやはりそれが人気の定番のようだった。
御茶ノ水の弱小出版社でバイトをしていた頃よく昼飯を食べに出たキッチン南海もまだ健全だった。
それに何と言ってもこの辺りは楽器店の宝庫だ。我が家のYAMAHAのギターアンプもフェンダーも黒沢楽器で買ったのだった。
中古楽器店に立ち寄るとマーチン、ギブソンにヤイリのギターまでがかかっていて、ヴィンテージもののギターは使い込まれていて、桁の違う値段で売られていた。ギターは弾いて、時を重ねて価値が上がる。ニール・ヤングなども半世紀前くらいのギターをよく弾いていたっけ。二日前にオープンしたばかりの店だそうだ。弾かしてもらえるのだが、買いたくなってしまうので目の保養にとどめておいた。
御茶ノ水駅のホームに立つと、ここの立体的な地形に、綺麗になった神田川、そして深緑の鮮やかな深みが味わえる贅沢な風景であることを改めて感じる。ここをつまらなそうに平凡な景色として無視して歩いていた十代のあの頃の自分は一体なんだったのだろう。