途中寄港

　職場の同僚にどうしても避けられないが会社の中ではしたくない話があったので、浜松町駅前の世界貿易センタービルの地下街にある鳥まつ一（ぴん）に入った。

　

　焼き鳥と海鮮とあるのでメニューも安心できそうだし、品格のあるビルの地下ならカードも利くだろうし、会社から少し離れているので落ち着いて酒を呑み、料理をつつき、話をすることができる。入ってみたら、二人しかいないのに、きちんと個室みたいに分けられたテーブル席に案内された。よかった。満足。
　酒は、ビールの後、長野の酒と山形の酒を呑んで、つれあいはいろいろな梅酒に挑んでいるみたいだった。
　一時間と申し出たのだが、閉店まで話が延びて、結局遅い時間の帰宅となった。
　こんな東京の夜がいつもあるわけじゃなく、むしろ判で押したように家に帰って料理をする毎日である。どちらも家が遠いので帰りが大変だ。上野あたりまで北上して飲もうという同僚の申し出を受けておいてもよかったかもしれないが、それ以上にいい店で飲んだのだ。贅沢を言うものではないだろうな。