レッズ・サポーターの腐敗
新潟を往復して、しっかりアウェイゲームを見てきた。
水曜日に代表戦でもフル出場している阿部が前半には見えていた疲れを後半で跳ね返して、見違えるような活躍を見せた。それに引きずられるようにして他の選手たちも後半に動き、レッズはダイナミズムを取り戻し、無事2-0の勝利を収めた。勝利が遠征の最大の土産である。
一方で残念なことがあった。昔はなかったようなサポーター・グループの呆れた行動が試合ではなく、遠征というプロセスのなかで矢鱈垣間見られるのである。
まずは席取りで前の方に並んでいたあるグループだろう、ビールの空き缶、ペットボトル、発泡スチロールなどが公園を取り巻く歩道の一角に意図的に散乱させられている光景があった。この歩道にシートを張り開場を待っていたのだが、歩道の敷石の間に割り箸が突き立てられている醜悪な光景があり、これを後列のサポは歩きながら、とてもいやな気分で見て行くのである。
レッズサポにはこうしたゴムを自主的に掃除するグループもいると聴くが、一方で公序良俗に反した行いを平気でやるようになった一団もいるということがとても残念だ。
Jリーグ発足当時、ゴミを持ち帰ろうとレッズサポはビニール袋を用意して、自分たちとかそういう領域を抜きにして客席をきれいにして帰ったものだ。特に紙ふぶきを容認してくれた駒場スタジアムはもちろんアウェイのスタジアムでそれは絶対不可欠なサッカー観戦への儀礼であった。
それが今は、埼スタであっても守られておらず、平気でゴミを置いてゆく連中がゴール裏に存在するのである。
帰りに越後川口SAで夕食を取ったのだが、その時刻、その場所は赤いサポーターたちでとても混雑していた。人が密集している中で大声を挙げる一団がいた。カレーがまずいだの、注文した品物が遅いだの騒いでいた挙句、手に入れた食物をふざけて床に落としたりして大騒ぎしていた。一人一人はオヤジもいれば子供みたいな若いのもいる。だがどこにもそれらを自主的に咎め制御しようとする機能はこのグループにはないようだった。新潟県内はアウェイだから敵だとでも言うのだろうか。新潟市内からはとうに離れた農業の町の一角でしかない高速道路SAで「まずい」と絶叫するレッズサポのカラーに身を包んだ男を、恥ずかしいと思う。
こんな輩でいっぱいになる埼スタを思うと、半分以下しか入ることのできなかった小さな駒場スタジアムの自浄能力のあったあのサポ文化が懐かしく思われる。そんな慙愧の念に心を痛めながら帰る、夜の関越道であった。くそっ!