本バナの時間

　札幌に着いたのが23:15。行きつけの店に飛び込んで、おでんを突きながらビールや熱燗をやる。
　話好きのマスターとそのまま本バナで盛り上がった。
　佐々木譲の直木賞受賞については、なぜあの作品で、という話に。佐々木譲を代表する作品はそれまでに山ほどあったろうに、というわけだ。他の作家の場合も似たり寄ったりじゃないの、とぼくの意見。
　正月の道新で北海道に関わりのある作家があまりにも多いということでも盛り上がる。そこには現代をリードする作家が山ほどいて驚く。
　最近のマスターのオススメは、笹本稜平の『未踏峰』だそうだ。これまでの路線を覆す本格山岳小説であるとのこと。本と山とが共通話題の店なので、いつもこんなかたちで盛り上がる。

　

　店じまいの時間が来て、雪降る世界に飛び出してから、話に夢中になりすぎたせいで、ろくに腹が満たされていないことに気づく。
　最近出来たらしい焼鳥屋に入って、一二杯引っかけて、家に辿り着いたのは真夜中の２時である。やれやれ。